米山の女

泣いて別れた 桜岡(さくらおか)に
花は今年も 咲いたのに
春に背いて 中津山(なかつやま)
ひとりさまよう この道に
あゝ 恋しい女よ 恋しい女よ
米山の女

濡れた黒髪 いやだと泣いた
雨にかすんだ 善王寺(ぜんのうじ)
甘く匂った 移り香を
想い出しては 呼んでみる
あゝ 恋しい女よ 恋しい女よ
米山の女

青い雨降る 平筒沼(びょうどうぬま)に
浮ぶ 恋しい 面影よ
あの日二人で さしていた
傘も一人で 濡れている
あゝ 恋しい女よ 恋しい女よ
米山の女
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