踏切

あかねの夕陽が 射す頃に
ポツリと電車の 中に居る
微笑み忘れた 人たちは
携帯電話に 笑顔を送る
寂しささとられ ないように
暮れゆく景色に 眼をやって

どこまでも 行けると 信じてる
どこまでも どこまでも

過ぎゆく踏切 眼にとめて
たたずむ自分を そこに見る
あいつも俺らと 同じように
にじんだ夕陽を 眺めていたが
電車はホームに 滑り込み
流れにのまれて 歩きだす

どこまでも 行けると 信じてる
どこまでも どこまでも

賑わう町から 逃げて行く
路地から路地まで 逃げて行く
いつしか俺らは 踏切の
「待てよ」の灯りを 仰いで止まる
自分の姿を 捜してる
そこには影さえ もういない

どこまでも 行けると 信じてる
どこまでも どこまでも

いつまでたっても 踏切は
「待てよ」のまんまで 皮肉に笑う
いつしか俺らは しゃがみ込み
電車の自分を 捜してる

いつしか俺らの 眼の中に
電車の自分が 見えている
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