女郎花(おみなえし)

一夜かぎりの 旅路の人と
知って抱かれた私なの
なぜか気になる 港の船が
つらい別れを せきたてる
出船 入船 渡鹿野島に
今日も花咲く 女郎花

こんど逢う日の 約束さえも
せがみきれずに 切れた恋
想い出させる 波止場の日暮れ
赤い灯台 灯がともりゃ
ネオン枕の 渡鹿野島に
今宵花咲く 女郎花

人の噂は 嵐の海に
捨てて今日から 生きましょう
化粧姿を 鏡に写し
すこし濃い目の 紅を引く
カモメ又鳴く 渡鹿野島に
明日も花咲く 女郎花
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