疾風(はやて)

いくつの夕陽を
見つめてきただろう
弱気になる方が
楽かもしれないと

疾風よ 今夜も
駆け抜けてゆくなら
切ないこの世の
吐息を さらってゆけ

こんなにはるかに
歩いて来たけど
過ぎてきた 何もかも
一陣の風に似て

疾風よ 今夜も
立ち尽くす男の
それでも 見果てぬ
夢だと 笑ってゆけ

疾風よ 今なお
ときめき 抱く俺の
終わらぬ 旅路の
地平に 吹き渡れ

それでも 見果てぬ
夢だと 笑ってゆけ
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