ワスレナグサ

やさしさに ゆれる風 こぼれてゆく
三日月に ほほえんで 手を振るだけ
まあるい橋 けもの道 別れたまま
踏みしめた 土の香りを 忘れまいと

過ちはの疾うの昔にあり
行く先を乗せて
運ぶ町へ

草むらに しゃがみこむ 露たたえて
あの山の麓から 虹を架けて

日暮れても 鳴き止まぬ 虫の声に
ヤイナホラ さよならと 渡りゆく鳥
見開いて ふりかざして 時のままに
悔しさに かすんでは ふりきるだけ

過ちはの疾うの昔にあり
行く先を乗せて
運ぶ町へ

道くさに まぎれては かみしめてる
押し戻し 踏み鳴らす わだちをゆく

覚まして 揺れる森
朝焼け 震えるクモ

水たまり 万華鏡 心模様
うつしては かきけして また来るまで

さまよえど 追いかけて のぼり火に ざわめいて
とこしえに 抱かれて 木洩れ日に 導かれ

過ちはの疾うの昔にあり
行く先を乗せて
運ぶ町へ

満ち欠けて 振り子ゆれ 光は降る
吊り橋を 歩いては いついつまで

鐘鳴る方へ ついてゆこう
またくちぶえを 吹いてゆこう
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