北の絶唱

風が唸れば 津軽が揺れて
ちぎれ雪雲 龍になる
惚れた女の 情念(おもい)を乗せて
飛んで行きたい あんたの胸に
凍(しば)れお岩木 いのち絶唱(うた)

つらい恋ほど 女を磨く
口紅(べに)もきりりと 撥(ばち)を持つ
三味を叩いて 冬空夜空
津軽じょんから あんたを呼べば
はぐれ海猫(ごめ)啼く 日本海

吼える地吹雪… あんたの苦労
重ね合わせて 春を待つ
何もいらない 惚の字のままの
男ひとつで 帰って来てよ
叫ぶお岩木 いのち絶唱(うた)
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