カモメと泣いた港町

親に背いて 十六で
一生一度の 恋をした
男にだまされ 北の果て
未練を抱いて 生きてきた 波止場道
秋風吹いて 泣きぐせついて
カモメと泣いた 港町

海を知らない 山育ち
男の波間で おぼれたの
屋台で栄えて いま酒場
浅黄(あさぎ)に白い 花柄の この暖簾
大漁の船が 港に着けば
陽気な女将(ママ)と 男たち

季節変わり目 肌をさす
雨降る路地裏 すきま風
男のぬくもり 欲しいけど
懲りない奴と 笑われりゃ つらくなる
あの日があって 明日へつなぐ
カモメと泣いた 港町
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