九月 incense

夜の戸張にぎわいはじめ少し肌寒い九月
季節の終わり橙色に木々は色付いて

初めて手と手を繋いでたベンチには
別の二人が座ってる

一月前の夕暮れラムネを片手に持ったまま
二人で見た花火
とても綺麗に咲いていた残る線香花火だけ
「また次にしようね」と

時は過ぎてあれから少し大人になったつもり
だけどこの道避けて歩いた思い出さぬ様

責めたりしないわ 出会えた事が
寂しさ生んでしまったの

誰もいない公園季節外れに火をつけて最後のお別れ

綺麗に咲いていたわ儚くゆらゆら音を立て
慰めの言葉

鈴虫の鳴く声が明日に連れて行ってくれる
嗚呼「ありがとう、さようなら」と
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