さよならが言えるまで

ふたりの影を 映す河面に
黄昏のささやきが 降りてくるよ
叶わなかった 未来(ゆめ)をはこんで
この恋も 思い出という海へ
流れてゆくのね

幸せだったことを 伝えたいけれど
くちびるがふるえる
もう少しだけ そばにいてほしい
あなたの瞳のなかで

せめて微笑(わら)いながら
さよならが言えるまで

帰りを急ぐ 子供の声が
背中越し 通り過ぎるたびに
陽射しが傾く

風の向こうに見える あの街もすぐに
灯りがともるでしょう
悔やんでないよ ふたり永遠を
誓ったあの日のように

あなた 好きなままで
さよならができるから

幸せだった 私 もう二度と恋が
できなくなるくらい
ねぇ少しだけ そばにいてほしい
最後のわがまま聞いて

せめて微笑いながら
さよならが言えるまで

あふれるこの涙を
闇がつつむまで……
×