ミスター・オールディーズ

ミスター・オールディーズに会った
子供の頃から あこがれてたシンガー 足が震えたよ
港の側の場末の 小さなライブハウスで

ミスター・オールディーズが笑った 照れたように
嬉しいこと言うじゃないか 聴きなよボーイ
あの頃よりずっと深い あの唄を聴かせるから

落ちぶれたと思ったろう?
確かに暮らし向きはそうさ
でも判るだろう? 魂さえ売らなきゃ音楽は
落ちぶれなどしないものさ いろいろ衰えたけど
昔より良いことばかり 第一幸せだ
歳をとることは 悪いことばかりじゃない

ミスター・オールディーズが言った 聴きなよボーイ
誰でもいつか必ず 年寄りになるのさ
そんなことは少しも 悲しいことじゃない

悲しいのはねボーイ
自分を哀れむことさ
ね、判るだろう? 俺はあの頃より自分が好きさ
君もシンガーなら若いときに
もてはやされて捨てられるがいい
一番大切なものに出会うためにね
歳をとることは 悪いことばかりじゃない

痺れてたあなたにミスター
まばらな客席でミスター
あの頃よりずっと大きくて新しい
生まれて初めて 早く歳をとりたいと心から
あなたのようになりたいと
立ち上がって思わず叫んでた ブラボー
ミスター・オールディーズ
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