導火線

白い背中を 夕日が縁取る
黒い瞳に 火種を隠して
近付く程に熱を帯びてゆく
重なる影と 罪を見た

あの日の傷跡が 君を引き戻した
何食わぬ顔で

絡まり うずくまり 答も聞かずに
許したその隙に 燃えて拡がる

互いに春を 待ち切れず

ほつれた髪に 途切れた声が
緩く結んだ 唇が

絡まり うずくまり 答も聞かずに
許したその隙に 燃えて拡がる
耳を塞ぐ吐息 焼け落ちた空
この身を引き離す 時を逃した

互いに春を待ち切れず
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