風の何処へ

例えようのない 胸の高ぶりを
押し殺しながら 朝を待っている
ひとつ流れ落ちた 無垢な望みと
成るべくして 成ったような全て

長い長い季節を 隔てたけれど
今想い返すのは 昨日の言葉
風の騒がしい日に さらわれぬ様に
たった独りで 胸に抱えて
迎えを待つのか

手に負えない心が 袖を引いて 頻りに呼んでいる
透けてしまった声が 優しく笑って 俺をからかった
遠いのか 近いのか 確かに通じている

素足の頃を 見送る途中に
夕陽に尽きた 小さな空は
俺に気付いているのか

たった一人で 胸に抱いて
迎えを待つのか

手に負えない心が 袖を引いて 頻りに呼んでいる
透けてしまった声が 優しく笑って 俺をからかった
手に負えない心が 袖を引いて 頻りに呼んでいる
記憶に居座ってしまう様な 君の行方を気にしながら
遠いのか 近いのか
同じ時を 同じ時を 確かに繋いでいる
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