夜の片輪車

通り過ぎた夏の幻が夜の風に吹かれて僕を呼んでいる
水銀灯に照らしだされたのは
雨に濡れた歩道橋の一番冷たい所

暖かい声、僕は噛み締めるよ
いつしか世界が僕の片端な心を引き裂いても
微唾む時間に心の空白を埋める作業を繰り返して
…また朝が来る

木枯らし吹き曝せば浮き彫りになる現実が
息苦しい毎日を突き付けても
君と過ごした夏の星空の下 確かに僕らは笑っていた

僕らの声よ夜に響き渡れ 綺麗な言葉で汚されてしまう前に
僕らの歌よ空に響き渡れ 君が詠ったあの詩は今も胸の中
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