おんな船

氷下魚を焙って 出船を祝い
夫婦の盃 受けた夜から
時化と闘う あんたに代り
留守を守って 私も漕ぐの
憂世の嵐にゃ負けぬ あおんなの船を

泣くんじゃないよと 叱られながら
あんたを送った 雪の波止場へ
春が来るまで 待ち切れなくて
夢で逢います 銀河の涯ての
恋しい夜船の窓に 舫綱かけて

別れた頃より 可愛くなって
あんたの帰りを 迎えたいのよ
これが私の 大漁旗と
白いエプロン 外して振れば
鴎も焼きもち嫉くわ おんなの船に
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