流氷の街

流氷の街の 片隅で
心にしみ込む 優しさは
涙おく 露草か
ひそやかな ひとよ

すまじきは恋の 戯れか
心のなごみの 華やぎも
ひとむれの つわぶきか
隠れ咲く 花よ

白くて細い 首すじの
ほつれ毛あたり 忍び寄る

別れの影を ふり払い
笑顔ばかりを 見せていた

流氷の街を 背にすれば
心にさし込む 悲しさは
ひたむきな 追い風か
散り花の 夢よ
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