夜明けの星の光

夜明けの星の光の国で
あなたはわたしの手をとった
夢見るように
そうっと

紫色の東の空が
あなたの瞳に
ゆらめいて
きえた

没薬は輪廻の香り
幾重ものヴェールを透かして
暁の女神が忍び込んでくる

夜明けの星の光のもとで
わたしはあなたの名を呼んだ
つぶやくような
ひびき

眠りの淵のひそかな闇が
わたしのまぶたを
いとしげに
撫でた

永遠の岸辺のほとり
水鳥の飛立つ羽音が
まどろみをはらって朝をつれてくる

夜明けの星の光

夢見るように

そうっと

恋人よ
くちづけを
さとられぬように

だれにも
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