入道崎

人のうわさを 逃がれる旅の
こころは冬の 空つづき
さよなら…あなた もう逢わないと
くちびるかめば 入道崎の
岩にしぶきの 花が散る

肌の匂いも ちぎれた夢も
いで湯に捨てた はずなのに
さよなら…あなた 寒風山の
やさしい姿 あおげばなぜか
熱くなります この胸が

男鹿のはずれの ここまで来たら
きのうへ戻る 途(みち)はない
さよなら…あなた 海一面を
夕日が染める 入道崎は
風が涙を ふいて行く
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