紫式部~越前恋つづり~

障子あければ せせらぎの
もの書きなどを つれづれに
風のたよりに あなたの噂
春も凍える 武生の宵に
あなたの言葉 ああ 信じたい
紫の 式部が綴る 恋の文

源氏の君の 残り香か
女官(おんな)の肌に まといつく
ひと夜情(なさけ)に おぼれた寝間は
朧(おぼろ)月夜の 寝化粧姿
心をよせる ああ 思い人
紫の 式部が綴る 恋の夢

名残り惜しんで 越前の
重ねた日々を 振り返り
十二単衣を 水面に写す
揺れる思いは 迎えの舟か
あなたに逢える ああ 嬉しさよ
紫の 式部が綴る 恋の旅
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