北のおんな節

海で育った おとこ肌
強いようでも やっぱり女
風が肌身に 凍てつく夜は
あんたを偲んで 郷里(くに)の歌
唄えば涙が 溢れでて
ひとり今夜も エー夢を追う

あんた恋しと 海鳥啼(な)けば
思い出します ふるさとを

夢が欲しいと 海猫(ごめ)が啼(な)く
馬鹿な奴だと 飛沫(しぶき)が笑う
しけの波間に 花束なげて
形見のタオルを 首に巻き
今夜もあんたと 酒を飲む
酔えば苦さが エー身にしみる

死ぬも生きるも 一緒だと
言ったあんたを 忘れはしない
胸に残った 温もり抱いて
明日(あした)へ漕ぎだす おんな船
人生荒波 のり越えりゃ
いつか夜明けの エー陽が昇る
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