冷いキッス

冷たいキッス 冷たいキッス

遠い国から吹いてくる
冷たい風の 街角で
冷たいキッスを 残したままで
なんにも云わずに 別れた人よ
そのときの そのときの
冷たさが 私の心を傷つける

細い通りの喫茶店
愛していると だしぬけに
小さくいって 私の右手
そっと握った その手のあつさ
そのひとの そのひとの
思い出が 私の心に灯をともす

雨のそぼ降る日曜日
別れたひとの 思い出を
ひとりでそっと だきしめたくて
古い日記の ページをめくる
あの人も この人も
離れて遠く 私はひとりただひとり
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