福寿草

やさしさに 負けてはだめよ
花のある 男でなけりゃ
ゆるしませんよと 叱ってみても
ごめんなさいと 肩ふるわせる
娘の恋に 泣き負けて
淋しくうなづく その母の
心の色は 心の色は福寿草

おまえより 遠くが見える
母の目を 信じなさいと
さとしてみても いまさら遅い
死んでもいいと 唇むすぶ
娘の愛に ほだされて
ほろりとこぼれる その母の
涙の色は 涙の色は福寿草

辛らければ 戻っておいで
がまんなど しなくていいと
見送る母に 手を振りながら
ごめんなさいと 瞼をぬらす
娘の頬に 若き日の
自分をみつける その母の
吐息の色は 吐息の色は福寿草
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