北風の朝

おはよう寒いねと あのひとはいって
私の肩をそっと抱いた
コートのえりを立て 白い息はいて
夢中で話す二人だった
北風 寒い朝 霜柱
さくさくと踏みしめて急ぎ足
あなたが近くにいてくれたなら
私はちっとも寒くない

風邪などひくなよと あのひとはいって
私の顔をのぞきこんだ
何かが起きたなら 相談にのると
まじめな顔でいってくれた
北風 寒い朝 わかれ道
何故かしら熱くなる胸のうち
あなたの言葉を抱きしめてたら
私はちっとも寒くない
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