orange and white

この前の話
ちょっと確かめてもいいかい?
まだかい?
まっさらな気持ち オレンジが透かすように
すこしだけ このまま

まだ君のことを知ったわけじゃない せっかちかな?
思いやるよりも思いつくことが先で いつも
苦そうに笑っている街にそっと朝が降り
不意に押し黙ってしまうほどの綺麗に
二人は恋をする

ゴミ回収の青が行く
ついばむ黒が散らばって空に高く飛ぶ
いつも通り
これからも君は泣く
自分なんてって嘆く
轍は残ってく

悲しみの色に染まることなんて出来るけど
名前のない気持ちを見失ったりしたくない
同じだと笑っている君は街を見下ろし
そっと同じものを君の背中越しに見て
世界に恋をする

観覧車の上から
雪の始まりを見た
夕立でペンキ缶溢れた
深海魚の目で底を見た
贈り物の宝石がただのゴミに変わるのを見た
人を焼いたあの煙が綺麗に立ち上るのを見た
肌寒さが頬を染め出す時を見た
積み重ねられた本のハートなら千切れた

思わずあくびをした君を見た
全ては知らなかった
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