届かない

わたしは暗い夜が嫌い ひとりでいることが怖いから
毛布をかぶってあの日見た夢のつづきをみる
肌寒い夜が嫌い 体が冷えてしまうから
あたためてくれる人の体温を知りたいんだ

忘れないように閉じ込めた記憶と ふたりの時間は
口に残る甘さはあの日と同じでまだなぞってる

君の笑顔が 頭にこびりついて離れない
ありもしないような未来祈ってしまう
空っぽの部屋 明るく鳴り響く通知音に ずっと疲れたままだ

君とあの日触れ合った肩と腕には
熱なんてもう微塵も残ってないのに
あの時間をただ思い出すだけで

ふたりの人生がこの先どれくらい交わるかなんて
誰にも きっと神様にもわからない
帰り際改札前の手と手の気遣いが
この先の未来を決めていなければいいのに

空になった花瓶に水を注ぐだけの生活じゃ 足りないの君がいないと
行き場のない明日をただやり過ごしてくよ

覚えていた何もかも全部忘れないように栞挟んで
君が教えてくれたあの言葉に触れると思い出すよ
相も変わらずに夜が深くなる
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