世界でひとり

きざな言葉が 使えぬ俺に
風が舌うち していたぜ
惚れたそぶりは 見せなかったが
世界でひとり かわいいおまえ

握り交した かぼそい指を
むしりとるよに もってきた
赤い手袋 頬に当てたぜ
世界でひとり かわいいおまえ

ついてくるなと 叱ったけれど
向けた背中が 熱かった
泣いていただろ 怨みをこめて
世界でひとり かわいいおまえ
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