帰らない

帰らない帰らないって言ってた
お前の濡れた瞳が
いつになく寂しげで 俺の心をたたいて
たたいているのさ

お前も俺も今度こそは うんざり別れた
筈だった
やっかいばらいをしたように
夜にまぎれて逃げだしてきた
“本当に不思議、恋の終りなんだか
さみしくなってくる”

お前が俺をたずねた日は
ためいきまじりの風がふいた
ふたりの写真をもやすのと
それがあの夜の言い訳だった
“本当に別れるつもりなの
いつもの嘘といって欲しい”

帰らない帰らないって言ってた
お前の濡れた瞳が
いつになく寂しげで 俺の心たたいて
たたいているのさ

お前は急にはしゃいだり
猫と話をしてみたり
なくしてしまった生活を
芝居みたいにくり返してた
“本当に不思議、恋の終りなんだか
さみしくなってくる”

お前が何か話しかけた
知らない顔で俺は言った
この次どこかで出逢っても
声はかけないつもりだよって
“本当に別れるつもりなの
いつもの嘘と言って欲しい”

帰らない帰らないって言ってた
お前の濡れた瞳が
いつになく寂しげで 俺の心をたたいて
たたいているのさ
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