さすらいのブラック・キャット

ほんの昨日のような昔
太陽が もっと あかるかった頃
ああ あの頃は
ひるめし くうのも いのちがけ
するどい 爪の ひとうちで
ランチを血潮で そめたものさ

おれはニャー おれはニャー
さすらいの
ブラックキャット ニャー

そんな昔のことじゃない
トカゲが もっと おおきかった頃
ああ あの頃は
いねむり するのも いのちがけ
天使のキッスで 目がさめて
たちまち地獄へ さかおとしさ

おれはニャー おれはニャー
さすらいの
ブラックキャット ニャー

このごろの猫はニャー
男のくせにナヨナヨしてニャー
なさけねえニャー
電気ゴタツの上でまるくなって
ぼんやりくらしても
それはほんとに生きてるってことじゃ
ニャージャニャーニョカニャー
ニャロメ!

きえてしまった夢じゃない
男が もっと 男だった頃
ああ あの頃は
さかなの かたちの 雲の下
荒野(あれの)の 花を 血の色に
そめて 死ぬぞと ちかったものさ

おれはニャー おれはニャー
さすらいの
ブラックキャット ニャー
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