島酒場

春になったら また来るからと
小さな燕を ボトルに描いて
夜明けの桟橋 帰っていった
にくいあなたは ゆきずりのひと
行ったり来たり 行ったり来たり
あなたを待ってる 島酒場

夏のにぎわい 波間に消えて
日暮れがどうして こんなに早い
人影ちらほら 連絡船にゃ
いつも迎える カモメもいない
誰かを呼んで 誰かを呼んで
汽笛が鳴いてる 島酒場

春になったら また咲く花を
一輪飾って 恋待ち雀
のれんをしまって 熱燗ひとつ
温(ぬく)め直して ひとりで飲んだ
行ったり来たり 行ったり来たり
心が揺れます 島酒場
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