命ぎりぎり日本海

寒風(かぜ)止まぬか 吹雪になるか
三日三晩の 時化模様
命ぎりぎり 日本海
海の男を 持てあそぶのか
牙むく荒波(なみ)の 憎らしさ
狂い吠(な)くよな 虎落笛

潮の流れに 抗(あらが)いながら
沖で網引く 厳寒(かん)の漁
裏木戸(きど)をくぐれば 日本海
あんた思えば 心が騒ぐ
繕(つくろ)う網を 握りしめ
せめて静まれ 虎落笛

無事を祈って 燈明(あかり)を灯す
留守をあずかる 日課(きまりごと)
両手合わせる 日本海
明日は帰るか 大漁船で
しぶきに濡れた 汐の肌
抱いておやりと 虎落笛
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