琥珀の国

花模様のレース越し
二人見てた海の向こう
夢から醒めるみたいに
潮風が花を散らした

決して触れられないなら
身を引くこと 正しさと呑んで
大人になろう

波が立つ心を伏せて 嘘で隠した
だけどどうにも遣り切れないまま

思い出す 琥珀の海を
彼の話す 長い夢を
時を撫でるように 全てを愛したこと
夏を背に失くした温度を

暮れる空に 浮く明け星
曇った目で眺めている
大人になるってことは
悔いを重ねるってことみたい

空いた穴を埋めるように
何度だって道を違えるの
うんざりだね

潮騒に心を委ねてしまえたのなら
なんてどうして思ってしまうの

夢を見る ありもしないような未来のこと
時は巡る 遠く離れるばかり

思い出す 琥珀の海を
彼の話す 長い夢を
時を撫でるように 全てを愛したこと
夏を背に失くした温度を
報われなくても
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