nameless

僕はずっと知っていたんだ
君もきっと同じだった
夏の午後には 抜け出して 走る

誰も気づかないみたいだ
僕らは名もなき幽霊
日が暮れる前に抜け出して 走る

塞いだ瞼透かして滲むほど
八月は眩しくて 張り付いた熱
陽炎が揺れて 追い立てる

青い空に目が眩んだ
君が言いかけた言葉はなに?
何度も何度も思い出して繰り返す
頼りなく ただ立ち尽くした

僕はずっと知っていたんだ
それが ずっと寂しかった
白い校舎には 長い影が落ちる

塞いだ瞼透かして滲むほど
八月は眩しくて 張り付いた熱
グラウンド 鐘の音 響いて

青い空に目が眩んだ
君が言いかけた言葉はなに?
何度も何度も思い出して繰り返す
頼りなく まだ探している

出来るだけ遠くへ
浮き足だつ川縁で僕らは足を休ませる

輝く飛沫 君は息を止め 飛び込んだ
勇敢な背中 せめて今だけは、まだ

青い空に目が眩んだ
君のまなざしが僕に問いかける
何度も何度も思い出してしまう
繰り返している

青い空に目が眩んだ
君が言いかけた言葉をまだ
何度も何度も思い出して繰り返す
頼りなく ただ歩き出した
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