jitensha

残された胸に隠れて息を潜めている
悲しみは行き場なく心は急かされる

相応しい言葉も例える術もわからない
夏の青さを湛え零れる まなざしは

残された日々に いくつもの景色を知るのでしょう
ブルースは加速するその脈を伝う

自転車で行くには少しだけ遠すぎるかな
心は置き去りだけど胸の中には熱が残るまま

ねえ、生まれたての悲しみも
抱えたままでゆくの?

自転車で行くには少しだけ遠すぎるかなんて

誰も知らない いつか君には打ち明けたい
なのに何故ひとりきりやがて日は暮れる

悲しみは静かに瞼を焦がす
坂道を駆け抜けて行く急いで暗闇を抜けて…

自転車で行くには少しだけ遠すぎるかな
瞬きよりも速い青が眩しくて何も見えない

自転車で行くには少しだけ遠すぎるかな
匂いも輝きもすべて触れてみたい
君にも見せたかった

ねえ、生まれたての悲しみも
抱えたままでゆくの?

寂しくても 確かめながら 僕は生きてゆくよ
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