しあわせの気配

机の端っこにまあるい檸檬
散らかった立ち去った 部屋に残ってた
読みかけのページを風がめくる
止まってた時が動き出す

茜色の空に響くメロディーが
まだ耳の奥に残ってる

それでも
しあわせの気配がふいに胸を刺す
たったひと口齧れば ほとばしるほどに
半透明の未来に手を伸ばしてみよう
酸いも甘いも苦いも すぐそばで実っている

街角に落ちたまあるい檸檬
混ざっては止まっては変わってしまったの
行き交う人々
右にならえできなくて走り出していた

隠していたはずの傷口にしみる
冷えた風が心地よくて

どこかで
しあわせの気配が返事を待っている
たったひと言絞ったら 満たされるのかな
まだ知らない季節を前借りしていこう
なんでもないよって言うけど 胸騒ぎがしている

飲み込んだ言葉はどこへ行くのだろう
忘れていいけどなくさないでよ いつまでも

茜色の空に響くメロディーを
口ずさんで前を見ている

しあわせの気配がふいに胸を刺す
たったひと口齧れば ほとばしるほどに
半透明の未来に手を伸ばしてみよう
酸いも甘いも苦いも味わってみましょうか
明日はいつも すぐそばで実っている
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