遺言

誰もが憧れる場所
スポットライトに照らされて立つ瞬間
天才に生まれついたなら
才能があったなら
違っていたのか

泣きながらやれば報われるって
苦しむほど天国へ行けるって
間違った呪文を唱え続け
ああもう うんざりだ

ありきたりな台本を引き裂いて
物語の外側
結末はわからない
筋書き通りの私を捨てて
誰のせいだ
自分さえ裏切って
大人たちの言うままに
生きるのはくだらない
すべて壊して
最後のセリフは白紙のまま

気まぐれに揺れるサイリウムが
可視化する私の価値
そう命も覚悟も今差し出して
足りない

愛をばらまくように生きてきた
愛され方はわからないけれど
なあなあなまま笑う君を見た
このまま死ねないな

「愛してる」って使い捨てのセリフも
作り物の涙もすべてが馬鹿げてる
今夜私が書きかえてあげる
バカみたいに奇跡を待ちわびて
取りこぼしてしまうんだ
奪われてばっかりだ
だからふざけたシナリオ燃やして灰になる

柔らかな君の喉元に魂を突き立てて
生きては返さない
赤い呪い痛い
青白い顔で立っている
もうずっとそばにいて
このままじゃ終わらない
甘い甘い甘い
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