夕なぎ

風の行方(ゆくえ)かわったら
私を何処か連れて行って
夏の終り夕なぎは
静か過ぎて切ない
カモメの鳴き声に 泣きぬれてしまうから

つないだ糸が切れたら
二度とは戻れやしない

ふたりこのまま堕(お)ちてゆければ
それで いいじゃない
行き場知らずの儚(はかな)い恋にも
幸せはあるわ

風の行方 かわったら
私を何処か連れて行って
草の茎を噛みながら
そぞろ歩く 黄昏
哀しみ深い紅(くれない)に泣きぬれてしまうから
燃え尽きてしばられて
あつ過ぎた夏はおしまい

ふたりこのまま堕(お)ちてゆければ
それで いいじゃない
行き場知らずの儚(はかな)い恋にも
幸せはあるわ
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