月夜しぐれ

ひとり目ざめて月かげに
想う信濃の高原よ
りんどう咲くや ゆかりの色に
ああ うなだれて君偲ぶ

思いつめれば見えもする
呼べば夜風がすすり泣く
君一すじの男のこころ
ああ 月よりの使者いずこ

待てば来ませよ この窓に
赤きランプも君のため
二人の住家ここぞというに
ああ 泣いてゆく月しぐれ
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