次男坊がらす

雪解け水で 産湯をあびた
北の生まれの 次男坊がらす
縞の合羽に 希望(おもい)を抱いて
故郷(くに)を離れて 三年三月(さんねんみつき)
いまだしがない 三度笠

旅から旅の 世間の隅は
風がしみるよ 次男坊がらす
故郷(くに)のおふくろ 元気だろうか
ぎゅっと握った お守りぶくろ
月よ照らすな 胸の中(うち)

日向(ひなた)に曇り 花にはあらし
裏目裏目の 次男坊がらす
出世双六 振り分け荷物
夢の一文字 咲かせるまでは
長い草鞋(わらじ)の 紐が泣く
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