路の上

陰も日向も路の上で
投げ捨てられた灰のように
情けないほど強がってかっこつけてた
猫も杓子も路の上で
工事現場を眺めてる
やがてくる春、今頃はどのあたりだろう

あいつはもう
きっとここには帰らないって言っていたな
今日は少しだけ
冷たい風が吹いている

白樺並木、路の上に
あの日の空を映し出す
吐く息白く過ぎる日々は赤く青く
忘れかけてた路の上に
思い出せない夜がある
涙を堪え立ち止まったサラリーマン

変わらぬ日々
やき弁の空いた容器洗ってごまかしてる
それでもまだ
その時はきっとまだなんだ

突き抜けた声はずっとあの空の彼方へ
枯れていく花にそっと最後のメロディを
あれはいつかの路の上

陰も日向もある朝が
陰も日向もない夜に
情けないくらい弱さを見せれますように
陰も日向もない朝が
陰も日向もある夜に
差し伸べた手を誰も邪魔しませんように

いつかはまた
きっと今よりもっと軽いその足取りで
話すことは
何ひとつなくてもいいから

切り裂いた声はずっとあの空の彼方へ
枯れていく花にそっと最後のメロディを
あれはいつかの路の上

誰かあいつに伝えてくれ

陰も日向も路の上で
投げ捨てられた灰のように
情けないほど強がってかっこつけてた
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