Magnolia

春一番好きな花 純白の鳥のような花
ゆらゆら揺らす背の高い “Magnolia”
見つけるたびに貴方のようだと思うのです
ぽたりと人知れず落ちてしまいそうな危うさよ
冬には硬い黒髪に牡丹の雪を積もらせて
私が笑えるようにと戯けて見せた貴方みたい
私には勿体無い人 でも手放せない人 貴方がいない日々には もう戻れない
まるでジオラマのビル街 白い月も見え隠れ
行き交う人を眺めてはやはり貴方だけなのだと気付くのです
打ち水が乾く頃 蝉時雨が告げる夏盛り 音沙汰ないSaturday
正気の沙汰ではいられなかった 若気の至り
二人の恋の始まりだったはずなのに いつしか心から慕うようになりました
痘痕の笑窪 貴方の傷も愛しいと思うの 私には勿体無い人
でも手放せない人 貴方がいない日々など もう生きれない
どうして温もり全て限りあるの 秋まで生きた蛍 何を想うの
手離せないように固く結ぶコブシも いつしか綻んで開いてしまう
まるでパノラマの景色に やわな面影見え隠れ 遣る瀬無くもなるのです
果ての見えない恋だから 二人別つ時がきても 貴方を辿り続けるわ
この髪白く染まろうと どうか見つけて また見初めて欲しい
春一番好きな花 純白の鳥のような “Magnolia”
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