十七歳

君が勧めてくれた歌
聴いてみたけど最悪だった
なんて言葉を濁そうか
今必死に考えてる

心底どうでもいいから
多数決に手を挙げなかった
無理やり作った笑顔が
形状記憶されていく

これといった脈絡もなく
夢に出てきたあの子
少しだけマジで好きになっている

起死回生を目論んで
いっせーのーで飛び込んで
そのまま落ちていくのも良いかもね
慢性的な寝不足で
ひび割れちゃった唇に
取ってつけたような風が吹いている

電車の中で目が合った
ド派手な文字の中吊り広告
こんなフォントで生きれたら
きっと少しは楽なのに

星占いに都市伝説
全部鼻で笑ってても
時々それに縋りたくなってる

どうかしてると思ってた
奴の気持ちがわかる度
自分の中の何かが壊れてく
「みんな違うからいいだろう」
そんな言葉でボカすなよ
言わないだけで勝ち負けはあるだろう

行き過ぎちゃった愛情は
いつか刃物に変わるから
必要以上 優しくなんないで
非の打ち所ひとつもない
人生なんてマトモじゃない
明日はどんな素敵な嘘を吐こう?

起死回生を目論んで
いっせーのーで飛び込んで
そのまま落ちていくのも良いかもね
言いたいことも無くなって
潤ってきた唇に
どっかで見たような風が吹いている
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