涙唄

仕事帰りの 地下鉄出たら
ふいに夕立 どしゃぶりの雨
まるで倖せ これ見よがしに
傘を開いた ふたりづれ
寒いよ 寒いよ 冬はまだなのに…
色づき始めた 舗道で濡れながら
あたしの人生 何なのか
街の灯(ひ) 見上げ 泣く女

髪のしずくを 拭(ふ)きとりながら
ひとり窓辺で 呑む缶ビール
彼に電話を する気もおきず
時の速さを 思うだけ
寒いよ 寒いよ 外は木枯らしか…
色あせ始めた 卒業写真見て
あたしの人生 何なのか
想い出 数え 泣く女

寒いよ 寒いよ 明日(あす)はどうなるの…
色づき始めた 都会のかたすみで
あたしの人生 何なのか
眠れぬ夜に 泣く女
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