金木犀

大人になって忘れてた
懐かしく香る 街角 金木犀

近頃は現実に追われて
見たくないものも見てしまって
心の奥の奥が枯れていた

美しく咲いた純情な恋も 弾んだ夢も
あの頃のまま、今香り出す

金色に染まったこの街に
忘れたものはあるのかな

恐れも知らず過ごしていた
秋風が運ぶ 輝く 未来と

根も葉もないのに芽を出していた
自信は向き合うほど萎れた
失うものなど 今もないだろう?

儚く散った不純な愛も 痛い挫折も
それはそれで必要だと思うけど

金色に染まったこの街に
忘れたものはあるのかな
華奢な花冠がヒラヒラ 落ちていく
華奢な花冠がヒラヒラ 願いを込めて

錆びれた信号は 青を示してる
あの日の僕らの笑い声が聞こえてくる

金色に染まったこの街に
忘れたものはあるのかな

健気色づくあの花のように
真っさらなままに生きてたい
華奢な花冠がヒラヒラ 落ちていく
華奢な花冠がヒラヒラ 願いを込めて
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