蜃気楼~しんきろう~

朝日に 煌(きら)めく 雪の立山に
溶けて清らかな 春の 雪解け水
川となり 大海原に 出て行く夢を
黒部に集まり 相談している
右に左に 運命(さだめ)に揺られ
映す希望の あゝ 蜃気楼

母の日 忙(せわ)しく 母は台所
苦労かけたこと 詫びて 両手合わす
「蛍火を 暗い世間に 灯(とも)しておくれ」
あの日の言葉は 胸に抱いている
母も空から 見ているだろう
青く輝く あゝ 富山湾

川原を 流れる 石が丸いのは
角(かど)を曲がるたび 角が 取れるからさ
人生は 筋書きのない ドラマなんだね
濡らした枕は 忘れたいけれど
忘れられない 遠い故郷(ふるさと)
心しみじみ あゝ 蜃気楼
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