ルージュの蝶々

誰かのもとへと 帰るあなたが
憎くて今夜も 身を焦がす
せめて私の 分身ひとつ
連れて帰って くれますか
別れ間際の 襟元に
寄り添うふりで 残し紅
あなたは知らない ルージュの蝶々
愛の花には とまれない

あなたの暮らしを 壊すつもりは
ないのに唇 淋しがる
せめて私の 哀しみひとつ
どうかもらって くれますか
すがりつきたい 襟元に
涙の代わり 残し紅
あなたは知らない ルージュの蝶々
愛の蜜さえ 吸えぬまま

あなたは知らない ルージュの蝶々
愛の春まで 飛んでゆけ
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