あなたの前に僕がいた

秋は ひとりで 考えるときを
あたえてくれたけれども 今は
それも 僕にとって じゃまになってきた
なぜなら 秋は ひとりで泣くことばかり

いつの間にか めざめた
僕の 恋のものがたり
なやみのふえることばかり
秋の前には 夏があったのさ
あなたの前には 僕が 僕がいた

ノックをするので 戸をあけてみると
秋風のいたずらなのさ だから
たまらぬ気持で 外にとび出たら
肩ふれるのは 落葉のいたずらなのさ

夏が教えた ぬくもりは
遠い思い出 今はもう
秋風だけが 友なのさ
秋の前には 夏があったのさ
あなたの前には 僕が 僕がいた
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