令和哀歌

楽な暮らし させたいと
家族のために ひたむきに
明日の見えない やるせなさ
聞いてくれよと むせび泣く
故郷(ふるさと)はなれて 時は流れて
ずいぶん遠くへ 来たものだ
汗と涙の しみついた
この手 静かに 見つめる

あかね色に 染まる空
工場(こうば)の仕事の 帰り道
赤ちょうちんで 呑む酒は
お国なまりを 聞きながら
故郷はなれて 時は流れて
ずいぶん遠くへ 来たものだ
小雨の路地裏 夜は更け
風音(かぜ)に耳を 澄ます

負けちゃいけない 戻れない
こんな男の 生き様よ
思い通りに いかないが
見果てぬ夢を 追いつづけ
故郷はなれて 時は流れて
ずいぶん遠くへ 来たものだ
今日という日が いま終わる
ひとみ閉じれば ため息
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