目黒川

橋の上から ふたり見ていたね
川面を染める 夕日が好きだった
川のほとりは 少し寒いからと
いつも背中を 抱いてくれたっけ

つかみそこねた 花びら ひとひら
指の隙間から 落ちてゆく

花が舞い散る 目黒川
「来年もまた 来ようね」って言うと
夢が舞い散る 目黒川
あなたは黙って 私を 見つめる

「ずっとこの街で 一緒に暮らそう」
言ってたことは 嘘では ないのでしょう
夢というのは 時の流れの中
流されてしまう こともあるから

泣いちゃだめだと くちびるかんで
瞳こらして 闇を見る

花が舞い散る 目黒川
最後にふたり 交わした てのひらに
夢が舞い散る 目黒川
あなたが残した 花びら ひとひら
あなたが残した 花びら……ひとひら
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