燐火

悲しみよりも速いスピードで
胸騒ぎすら追い越してきた
役立たずの未来に唾を
吐いてはにごる水たまりに俺

ガードレールにしがみついて
泣きっ面の落書き、
なぁ、笑えよ

バッドエンドから始まる
くらいがちょうどいいのさ
宵闇を待つ青い光
邪魔すんな、そこをどけ
やりたいようにやろうぜ
がらんどうのこの街で
あいつを思うこの気持ちだけが
俺のタバコに火をつける

奪い合えってことを言いたいんじゃねぇ
ただ守るべきものがそこにあるだけ

ガラスの雨に野良犬は遠吠え
くそったれが止まねぇ
おい、そんな傘なんか捨てちまえよ、
濡れろ

胸にビートを刻んだら
馬鹿げたレクイエムを
こんなアンフェアな世界に
お見舞いしてやろうか
黄昏れてる暇などねぇ
暴れたもん勝ちだろ?
大丈夫だなんて無責任は言わねぇから
ついてこいよ、黙って

ブレーキの効かねぇこの感情を
灰になってでも引き連れて行く
どこまでも行く、墓場まで行く
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