雪哭き津軽

撥(ばち)をたたけば 血を噴く指を
口にくわえて くれた人
雪が吠えれば ただ恋しくて
こころ弘前 大間崎
よされじょんから 雪哭(ゆきな)き津軽

時の流れに 三味(しゃみ)弾き捨てて
宿の女将も 馴れました
一夜(ひとよ)泊りの 空似(そらに)の人は
もしや十和田か 八戸か
よされじょんから 雪哭(ゆきな)き津軽

親の顔など 知らないけれど
人の情けは よく分かる
辛い世間の 吹雪に耐えて
生きる黒石 鶴ヶ坂(つるがさか)
よされじょんから 雪哭(ゆきな)き津軽
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