秋時雨

雨の降る夜(よ)は 寂しくて
今もあなたを 思い出す
ひとりつぎ足す ぐい呑みに
浮かぶ面影 百箇日(ひゃっかにち)
呑めば窓には 秋時雨
あなたが帰って 来たようで
とうに遠くへ 逝ったけど
誰より近くに いるようで

白い花瓶の 向こう側
今日もあなたは 笑ってる
過ぎた季節は 走馬灯
思い出させる 膝枕
酔えば心に 秋時雨
空から俺だけ 見ててくれ
弱い男と 向こうから
叱ってほしい 夜更け頃

胸に沁みこむ 秋時雨
あなたは帰って 来ないけど
時の流れに 明日を見て
あなたの分まで 生きるだけ
あなたの分まで 生きるだけ
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